偽装請負リスク診断(SES・客先常駐で働く方向け)

最終確認日:

※ 最終確認日は、記事・ツールの内容を、法令や公的資料をもとに作成した確認資料と照らし合わせて確認した日です。確認方法は編集方針をご覧ください。

現場での指示の受け方や、勤怠・作業場所・費用負担の実態について8問に回答すると、 偽装請負のリスクの目安を「低・中・高」で示します。昭和61年労働省告示第37号の 考え方を参考にした一般的な情報提供であり、法的な判定ではありません。入力内容は ブラウザ内だけで計算され、保存・送信されません。氏名や会社名などを入力する項目はありません。

1. あなたの契約形態を教えてください

わかる範囲で選んでください。わからない場合は「わからない・聞いていない」を選んでも、このあとの設問には回答できます。

契約形態を選択してください。

2. 現場の実態について教えてください

契約形態にかかわらず、実際に現場でどうなっているかを基準に回答してください。 迷う場合は「どちらとも言えない」を選んでかまいません。

Q1. 日々の作業内容や進め方について、指示を受けるとしたら主に誰からですか

回答を選択してください。

Q2. 作業のやり直しや修正の指示、出来栄えのチェック・評価を受けるとしたら主に誰からですか

回答を選択してください。

Q3. 始業・終業の時刻、休憩、残業の可否、欠勤や遅刻の扱いなど、勤務時間まわりの管理は主に誰が行っていますか

回答を選択してください。

Q4. 発注元の社員と席を並べ、同じ会議や同じ指揮系統の中で、区別なく働いていますか

混在していること自体が問題というより、その結果として発注元から直接指示を受ける状態になっているかどうかがポイントです。

回答を選択してください。

Q5. 作業する場所(オフィス等)や、使用するPC・開発環境などの機材は、主に誰が用意・指定していますか

回答を選択してください。

Q6. 報酬(契約金額)は、どちらの考え方に近いですか

専門的な技術・経験に基づく等の合理的な理由がある場合、時間精算であること自体が直ちに問題とされるわけではないとされています。

回答を選択してください。

Q7. 業務に必要な費用(交通費・機材購入費等)の負担や、業務上のミス・トラブルが起きたときの責任は、主にどちらにありますか

回答を選択してください。

3. 診断結果

すべての設問に回答すると、結果が表示されます。

偽装請負リスク診断の使い方

この診断は、SES・客先常駐などで働く本人が、現場の実態を振り返るためのものです。入力の前に、次のことを確認しておくと答えやすくなります。

  1. 最初に、ご自身の契約形態を選びます。分からない場合は「わからない・聞いていない」を選んでかまいません。この回答は採点には使わず、結果の注記の出し分けだけに使います。
  2. Q1〜Q7に、契約書の建前ではなく、実際に現場でどうなっているかで答えます。迷う場合は、真ん中の「どちらとも言えない」を選んでください。
  3. 8問すべてに答えると、結果が自動で表示されます。「診断する」ボタンはありません。回答を変えると、結果もその場で変わります。
  4. 「低・中・高」の目安と「気になった点」を読み、相談先の案内や、気になりやすい運用と工夫の例も参考にします。「採点の内訳を見る」を開くと、点数が分かります。

氏名や会社名を入力する項目はありません。入力した内容は保存も送信もされず、ブラウザの中だけで処理されます。

診断の考え方

根拠は、昭和61年労働省告示第37号(労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準)の考え方です。ごく簡単にいうと、次の2つの要件のいずれにも当てはまる場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主として扱われるとされています。

どちらか一方が崩れていると、契約書の上では請負や準委任でも、実態は労働者派遣に近い(いわゆる偽装請負)と評価される可能性があるとされています。判断は契約の名前ではなく、働き方の実態を総合的に見て行われるとされています。一つの事情だけで結論が決まるものではありません。SESで多い準委任契約も、同じ枠組みで判断されます。

設問とのつながりは次のとおりです。

設問内容関係する要件
Q1〜Q3日々の指示、やり直し・評価、勤務時間の管理要件①
Q4発注元の社員との混在(実務上の指標)要件①に関連
Q5〜Q7作業場所・機材、報酬の考え方、費用負担と責任要件②

システム開発で客先とやりとりが多い場合の読み方

厚生労働省の疑義応答集(第3集)では、発注元と会議・チャット・プロジェクト管理ツールでやりとりしたり、技術的な議論や助言、要件の説明を受けたりすること自体は、対等な関係で自社側が自律的に判断して進めているのであれば、それだけで直ちに偽装請負と判断されるわけではないとされています。一方、発注元から直接、業務の遂行方法や労働時間などの指示を受けるなど、指揮命令があると認められる場合は、偽装請負と判断されることになるとされています。

このため、Q1は、客先とやりとりがあるかどうかではなく、設問のとおり、日々の作業内容や進め方について主に誰から指示を受けているかで答えてください。説明や助言のかたちをとっていても、実際には作業の進め方の指示になっている場合は、発注元からの指示として考えてください。Q4は、同じ会議やチャットに入っていることそのものではなく、設問の注記のとおり、混在の結果として発注元から直接指示を受ける状態になっているか、発注元の社員と区別なく同じ指揮系統の中で働いているかで答えてください。

採点のしかた: 各設問は、発注元(客先)寄りの回答が2点、「どちらとも言えない」が1点、自社(所属会社)寄りの回答が0点です。要件①(Q1〜Q4、0〜8点)と要件②(Q5〜Q7、0〜6点)は、合算せず別々に集計します。

目安条件
高要件①が6点以上、または、要件①が5点以上かつ要件②が3点以上
低要件①が2点以下かつ要件②が1点以下
中上のどちらにも当てはまらない場合

この点数の区切りは、このツールが独自に決めた目安であり、法令や告示が定める基準ではありません。また、要件②だけが強く出た場合(要件①が低い場合)は「高」とはせず「中」にとどめる設計にしています。ここでいう「要件①が低い」は、要件①が5点未満の場合を指します。これは法令上の優先順位ではなく、ツールの設計上の判断です。告示の考え方では、要件②だけが当てはまらない場合も、労働者派遣事業を行う事業主として扱われる可能性があります。「中」でも、気になった点がある場合は内容をご確認ください。

診断例

次の例は、同じ回答をしたときの結果の目安です。

例1 発注元からの指示が中心の場合(契約形態:準委任契約)

設問回答点
Q1 日々の指示発注元の社員から直接2
Q2 やり直し・評価発注元の担当者から直接2
Q3 勤務時間の管理発注元が勤怠を承認している2
Q4 混在ある程度混在しているが自社の指揮系統も残っている1
Q5 場所・機材一部は発注元、一部は自社1
Q6 報酬稼働時間(人月単価)に応じて決まる2
Q7 費用・責任状況による/どちらとも言えない1

要件①は7点、要件②は4点です。要件①が6点以上のため、結果は「高」になります。「発注元が現場の指揮命令に深く関わっていると考えられる回答が多く、労働者派遣と実質的に変わらない働き方(いわゆる偽装請負)にあたる可能性がある」という趣旨の文と、相談先の案内が表示されます。「気になった点」には、Q1・Q2・Q3・Q6が(Q6には専門職に関する但し書き付きで)、「状況によって判断が分かれる点」にはQ4・Q5・Q7が出ます。

例2 指示は自社経由だが、場所・機材・費用が発注元寄りの場合(契約形態:準委任契約)

Q1〜Q4はすべて自社寄り(0点)、Q5〜Q7はすべて発注元寄り(Q5「場所も機材もすべて発注元」、Q6「稼働時間に応じて」、Q7「実質的に発注元が負担・責任」で各2点)と回答した場合です。

要件①は0点、要件②は6点です。要件②が最大でも、要件①が低いため「高」にはならず、結果は「中」になります。「気になった点」にQ5・Q6・Q7が出ます。「判断が分かれる点」はないため、結果文に「判断が分かれる可能性のある点」の記述は出ません。

このツールでわからないこと・注意点

よくある質問

準委任契約(SES契約)でも、37号告示の考え方は関係しますか?

関係するとされています。厚生労働省の疑義応答集(第2集)は、請負に委任・準委任を含めて説明しており、労働局のリーフレットでも、準委任も同じ枠組みで判断されるとされています。契約の名前ではなく、実態で判断される点は、請負でも準委任でも同じです。第3集でも、アジャイル型開発を準委任契約で行う場合でも、実態として指揮命令関係があれば、契約の形式を問わず労働者派遣事業に該当し、労働者派遣法の適用を受けるとされています。

人月単価など、稼働時間で報酬が決まっていると、それだけで偽装請負になりますか?

それだけで直ちに問題とされるわけではないとされています。内閣府の手引き(地方公共団体の適正な請負(委託)事業推進のための手引き)のチェックポイントでは、報酬が「労務単価×人数×時間」かどうかを見る一方で、高度な技術・専門性が必要な場合や合理的理由がある場合を除く、とされています。このツールのQ6は、時間精算を「気になる点」の一つとして扱いますが、専門的な技術・経験に基づく合理的な理由があれば、時間精算であること自体が直ちに問題とされるわけではありません。

契約が労働者派遣の場合、結果はどう読めばよいですか?

派遣契約では、派遣先が指揮命令を行うことが制度上想定されています。そのため、発注元寄りの回答が多くても、そのまま偽装請負の可能性を意味するとは限りません。一方、契約書の上では派遣なのに、実際の働き方に大きなずれを感じる場合は、労働局などの相談先にご確認ください。

客先と同じ会議やチャットに入っています。Q4はどう答えればよいですか?

同じ会議やチャットに入っていること自体は、対等な関係で自社側が自律的に判断して進めているなら、それだけで偽装請負と判断されるものではないとされています(厚生労働省の疑義応答集 第3集)。ただし、会議やチャットの場で客先から直接、業務の進め方や時間について指示を受けている実態があれば、偽装請負と判断されることになるとされています。Q4は、設問の注記のとおり、混在の結果として発注元から直接指示を受ける状態になっているか、発注元の社員と区別なく同じ指揮系統の中で働いているかでお答えください。日々の作業内容や進め方の指示を主に誰から受けるかは、Q1でたずねています。

スキルシートを客先に提出しています。偽装請負になりますか?

技術・技能レベルや経験年数などを記載し、個人を特定できず、客先がそれで個々の人を指名したり特定の人の就業を断ったりできないものであれば、提出を求められるだけで直ちに偽装請負と判断されるわけではないとされています。他方、客先が特定の人を指名したり、特定の人の就業を断ったりする場合は、適正な請負等とは認められないとされています(疑義応答集 第3集)。自分のスキルシートがこれに当たるかどうかは、個人を特定できるものかどうかなど、実際の扱いによります。このツールの設問には、スキルシートに関する項目はありません。

参考にした資料

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